世界最高強度のマグネット

MRVivoLVAは永久磁石を用いたコンパクトな実験小動物用MRI システムです。

ネオジムを用いた世界最高強度の永久磁石(1.5テスラ)を用いています。永久磁石は、維持するためのエネルギーコストが極めて安価で、かつメンテナンスフリーです。また、その永久磁石の品質・性能をコントロールし、最大強度のMRI用磁場として完成させることに成功しました。

MRI(Magnetic Resonance Imaging:核磁気共鳴画像法)とは

生体内の水素原子(1H)の共鳴現象を利用しているため,水分や脂肪の豊富な臓器や脳,軟部組織などを観察するのに非常に適した装置です。

MRIでできること

撮像方法を変えることによってさまざまなコントラストの画像が得られます。
T1強調画像・・・水分は黒く腫瘍はやや白く見えます。解剖学的な構造を観るのに適しています。
T2強調画像・・・水分が白く脂肪が黒く見えます。病変を見るのに適しています。

撮像例

マウス頭部

撮像方法を変えることでコントラストの異なる画像が得られます。T1強調画像では水分が黒く腫瘍がやや白く見えています。(左)。一方T2強調画像では水分が白く腫瘍は黒く見えています。(右)。

ラット胸部

心拍同期撮像を行うことで心臓壁の様子が可視化できます

ラット腹部

T1/T2強調画像

MRIは撮像時のパラメータを変える事で全く異なったコントラストの画像を得ることができます。ここに示した正常ラット頭部(Transversおよびsagittal)のT1強調画像およびT2強調画像は、それぞれ同じラットの同じ位置の脳断面です。T1強調画像に比べて、T2強調画像の方は脳内のコントラストがより明瞭であることがわかります。MRIでは撮像対象や撮像時間の長短等に必要に応じた条件を設定することによって目的とする画像を取得することができます。

マウス脳:マンガン

マンガン造影MRI法(Manganese-Enhanced Magnetic Resonance Imaging, MEMRI):マンガンイオン(Mn2+)は常磁性体としてプロトン緩和時間(T1)を短縮させる特性を持っており、カルシウム(Ca2+)チャネルを通過して細胞内に取り込まれることで局所Mn2+濃度が増加しT1コントラストが上昇することを利用したMRI撮像方法です。MRIで神経活動依存的な変化を可視化(機能的画像)する方法としても利用されて  います。

マウス腹部

造影剤:プリモビスト(バイエル薬品) 0.1mL/mouse を腹腔内注射後数10分後のMR画像。肝臓集積性の強い陽性造影剤のため、造影剤なしではコントラストの差が出にくい肝臓がはっきりと造影されます。腎臓も著明に輝度が上昇し、詳細な構造が確認できました。

マウス(BALB/cA Jcl-nu/+) に腫瘍細胞(HCT-15)を移植後約50日目の
腫瘍部分をT1強調およびT2強調撮像を行いました。
T1強調画像においても腫瘍が大きくなっている部分は確認できますが、正常組織と腫瘍組織の境界部分はT2強調撮像画像によって明瞭に区別されることがわかります。

マウス大腿部

マウス大腿部:矢状断面(Sagittal) MRIでは骨は黒く抜けるため骨のように見える部分は骨髄が可視化されています(上図)。下図は白黒を反転させ骨の部分を白く表示したものです。本装置では、撮像断面の位置と角度をソフトウエア上で微調整できるので、動物を動かすことなく、関節の断面を正確にMR画像として取得することが可能です。

定量MRI

生体を構成する水・脂肪分子それぞれの固有値である「T1」「T2」値を定量画像化することが可能です。
生体分子の定量評価は、疾患解析、造影剤定量解析における強力なツールです。